神殺しのクロノスタシス2
…十数分後。

「ひっく…ひっく…」

「…」

イレース渾身の雷魔法に打たれ、泣きじゃくるシルナの姿があった。

良かったな、泣きじゃくるくらいで済んで。

イレース相手だ。殺されててもおかしくなかったぞ。

馬鹿な奴だよ。

あのイレースが、授業中に教室を覗き見されて、気づかない訳ないだろ。

バレるに決まってる。

案の定、即刻バレてるし。

それなのに。

「…次、ナジュ君のところに行く」

全然懲りてない。この学院長。

「もうやめとけよ…」

まぁ、ナジュなら、授業覗き見されても怒りそうにはないが。

どうやったって、ナジュイレースの美男美女には敵わないよ。

おっさんなんだから。

「確か今、ナジュ君…稽古場にいるよね?」

「あぁ。あいつ実技授業多いから…」

「じゃあ稽古場見に行く」

だから、もうやめとけって。

しかし、シルナは諦めない。

どうしても、自分の派閥が欲しいらしい。

で、それに何で俺が巻き込まれなければならないのか。
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