神殺しのクロノスタシス2
「『カタストロフィ』の目的は、光と闇、どちらかの神を手に入れることだったんですか?」

「うーん…。それと、光と闇両方の『聖宝具』ですね。あれを手に入れることも計画の一つだったようです」

だったようです…ってことは。

「はっきり聞かされてないのか?『カタストロフィ』の目的」

「さっきも言った通り、協力していただけで、仲間じゃなかったですからね。まぁ、心を読んだから知ってるんですけど」

悪魔みたいな奴だな、お前。

「僕もそう思います」

「良いから続けろって」

いちいち読むな。いちいち。

「何の為に、彼らはベリクリーデさんと羽久さんを狙ったんですか?」

「神を復活させる為に」

「…神を…」

…何だ。

神を復活させて、大魔法戦争でも起こしたかったのか?

事が事だけに、シュニィも険しい顔。

腹の子に良くないな。

「神を復活させて、それでどうしようとしてたの?」

シュニィの代わりに、シルナが尋ねた。

「『カタストロフィ』風に言うと…『あるべき本来の世界』に戻すことですね」

「…」

…ややこしくなってきた。

『カタストロフィ』が何を考えてるのか、さっぱり分からん。

とにかく、世の中を掻き乱したいのは確かなようだな。

掻き乱すのは勝手だが、俺達を巻き込まないで欲しい。

「その、いかにも中二臭い『あるべき世界』云々ってのは、何なんだ?」

「うーん…」

ナジュは、言いにくそうに言葉を濁した。

「…言えないようなことか?」

「僕は言っても良いんですけど…」

「じゃあ言えよ…」

お前、自分が心読めるからって。

俺達は、言ってもらわなきゃ分からないんだぞ。

すると。

ナジュは溜め息をついて、そして俺を指差した。

「簡単に言えば…あなたが死ぬことです。羽久・グラスフィア」

「…」

…ある程度、予測はしていた。
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