神殺しのクロノスタシス2
「それで、副団長殿」

「はい」

ジュリスが、シュニィに尋ねた。

「俺達はこれからどうする?俺は王都セレーナに残って、ベリクリーデのナイトになってやるつもりだが」

「そうですね。基本的には…前回決めたペアで動いてもらおうと思ってます」

ナジュ捜索の為に決めた、あのペア割りか。

まぁ、向こうが一人だからって、こちらまで律儀に一対一で戦ってやる必要はないもんな。

こっちは数の有利があるのだから、それを生かさない手はない。

ましてや、向こうは準備万端整えて待ち構えているのだから。

確実に捕まえる為にも、二人一組で動く方が良いに決まってる。

「ディフェンス、オフェンスは前回通り?」

「そうですね、でも今回はこちらから攻めるので、オフェンス側を増やしたいんですが…」

「…」

シュニィは、夫のアトラスをちらりと横目で見た。

対するアトラスは、物凄い眼光で妻を見ていた。

「絶対お前は行かせないからな」という、無言の圧力を感じる。

…無理だな。

「…学院長がオフェンスに回るなら、イレースさんは学院に不可欠ですし…。役割分担は前回と同じにしましょう」

シュニィとしては、自分とアトラスもオフェンスに回りたいのだろうが。

残念ながら、それは無理な話。

…ところで。

「僕、ボッチなんですけど。どうします?」

前回はいなかった、強力な助っ人がいる。
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