神殺しのクロノスタシス2
「自由行動して良いんですか?」
「あ、いえ…。そうですね、ナジュさんは…」
…微妙な立場だよな。
ナジュは、実質執行猶予中の身で、学院の教師をやっているだけで。
聖魔騎士団の人間ではない。
その点、イレースもそうなのだが…。
「学院に残ってください。単独行動は危険ですから」
「…そうですか」
人の心を読めるナジュ。
でも、今回ばかりは、読まずとも分かっただろう。
例え仲間ではないとしても、かつての協力者を自分の手にかけるのは、気が進まないだろう。
そんなシュニィの配慮が、ナジュに分からないはずがない。
「あの、僕から」
エリュティアが、小さく挙手した。
「何ですか?」
「『カタストロフィ』六人の潜伏先についてなんですが…」
…?
「おおよその検討はつけました。でも、確実にそこにいると確信を持っては言えません」
「エリュティア…?」
「…これは、あくまでも個人的な勘でしかないんですが…」
「勘で構いませんよ。言ってください」
と、促すシュニィ。
探索魔法のプロ、他ならぬエリュティアの勘なのだ。
どんな内容であったにせよ、聞いておくべきだ。
「アジトの居場所を見つけたときからそうなんです。何処か、何かに誘導されているような…。調べるのは難しいけど、必ず何処かにヒントがあって…」
「…」
「何かに、操作されているような気がするんです。六人がバラバラに散ったように、僕達も戦力を分散させられるように」
「…成程」
エリュティアに捜索されることを踏まえて。
そして、見つけられることも想定の内で。
こちらが探しているんじゃない。全ては敵さんの手のひらの上で踊らされている…と。
「…有り得ない話じゃないですね。あの狡猾な女狐なら」
ヴァルシーナとやらリーダーのことを知っているナジュが、頷いた。
ディフェンス、オフェンスと二手に分かれてはいるが…。
もしかすれば、そんなことは俺達の都合であって。
敵さんの思惑は、全く別にあるのかもしれない。
なんとも不穏な雰囲気で、その日の会議は終わり。
そして。
「あ、いえ…。そうですね、ナジュさんは…」
…微妙な立場だよな。
ナジュは、実質執行猶予中の身で、学院の教師をやっているだけで。
聖魔騎士団の人間ではない。
その点、イレースもそうなのだが…。
「学院に残ってください。単独行動は危険ですから」
「…そうですか」
人の心を読めるナジュ。
でも、今回ばかりは、読まずとも分かっただろう。
例え仲間ではないとしても、かつての協力者を自分の手にかけるのは、気が進まないだろう。
そんなシュニィの配慮が、ナジュに分からないはずがない。
「あの、僕から」
エリュティアが、小さく挙手した。
「何ですか?」
「『カタストロフィ』六人の潜伏先についてなんですが…」
…?
「おおよその検討はつけました。でも、確実にそこにいると確信を持っては言えません」
「エリュティア…?」
「…これは、あくまでも個人的な勘でしかないんですが…」
「勘で構いませんよ。言ってください」
と、促すシュニィ。
探索魔法のプロ、他ならぬエリュティアの勘なのだ。
どんな内容であったにせよ、聞いておくべきだ。
「アジトの居場所を見つけたときからそうなんです。何処か、何かに誘導されているような…。調べるのは難しいけど、必ず何処かにヒントがあって…」
「…」
「何かに、操作されているような気がするんです。六人がバラバラに散ったように、僕達も戦力を分散させられるように」
「…成程」
エリュティアに捜索されることを踏まえて。
そして、見つけられることも想定の内で。
こちらが探しているんじゃない。全ては敵さんの手のひらの上で踊らされている…と。
「…有り得ない話じゃないですね。あの狡猾な女狐なら」
ヴァルシーナとやらリーダーのことを知っているナジュが、頷いた。
ディフェンス、オフェンスと二手に分かれてはいるが…。
もしかすれば、そんなことは俺達の都合であって。
敵さんの思惑は、全く別にあるのかもしれない。
なんとも不穏な雰囲気で、その日の会議は終わり。
そして。