神殺しのクロノスタシス2

sideキュレム

──────…。

「あーだるっ…。面倒臭っ…。もう帰りたい…」

…。

「つーかあいつらの異空間、めっちゃお粗末だし。素人が日曜大工で立てた小屋みたいですね」

…。

「なーにが、『カタストロフィ』ですか。そんな中二病漫画ありませんでした?何が嬉しくて、そんな中二病同好会のメンバーを討伐に行かなきゃならないんだか…」

…。

「…俺、エリュティアさんと『カタストロフィ』のアジト探し手伝ったんで、戦いの方はキュレムさんにお願いしますね」

…。

「俺、後ろの方で観劇してるので。あーポップコーン持ってくれば良かったー」

…なぁ。

俺と『カタストロフィ』の戦い、映画扱い?

「おい、おいルイーシュ」

「はー何でこんな厄介事ばかり起きるんですかねー。皆家でポップコーンでも食べてれば良いのに」

今日は妙にポップコーンにこだわるな。お前。

何だ。食べたいのかポップコーン。

「こっちだって面倒なんだから、面倒面倒言うな。余計やる気削がれる」

何回言ったか、この台詞。

こいつと組む度に言ってる気がする。

間違いなく人生で一番多く言った言葉、ナンバーワンだ。

「しかし、何考えてるんでしょうねぇ」

「あ?」

「その、『カタストロフィ』とやらですよ」

…うん。

確かに、奴らが何考えてるのかは、俺にもよく分からん。

「『あるべき世界』がどうとやら言ってたな」

「何ですか、その中二病ワード…」

本当それな。

「大体『カタストロフィ』とかいうネーミングセンスからして、中二病ここに極まれりですよ」

マジそれな。

そこだけはルイーシュに同意するわ。

「そんなに自分の思い通りになる世界が欲しいなら、ミニチュアの玩具で作って満足してれば良いのに…」

「何だよ、ミニチュアの玩具って」

「知りません?なんかスーパーの子供向け菓子についてるじゃないですか。ベッドとかキッチンとか。全部集めたら家になる奴」

そんなんあるの?

「仕方ない…。暇潰しに全部集めるか…」

「いや待て。目的変わってる」

俺達、スーパーの玩具集める為に来た訳じゃないから。

『カタストロフィ』のな?討伐をな?

この辺の時空にいるって、エリュティアが突き止めてくれたから。

ここからは俺達の仕事な訳よ。

決して、スーパーの玩具買いに来た訳じゃなくて。
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