神殺しのクロノスタシス2
「…そろそろ私達も行こうか、羽久」

「…そうだな」

ようやく、二人仕留めたのだ。

残りは四人。

エリュティアが、ようやく検討つけてくれたのだ。

行かなくては。

しかし。

「多分罠ですよ」

ナジュが、俺達にそう言った。

「罠?」

「死んだのは、パーシヴァルとレイモンド。奴らは『カタストロフィ』の中でも、大して強くない魔導師でしたから」

…おいおい。

何だよ、その「奴は所詮、四天王の中でも最弱」みたいなシチュエーションは。

「じゃあ、他に誰が残ってるんだよ?」

「誰が何処にいるのかは知りませんが、残る四人は、いずれも単純な魔法は使いません」

単純な魔法は使わない…?

「炎とか氷とか風とか、そんな単純な魔法じゃありません。僕が読心魔法を使うように、特殊な魔法を使ってくると思ってください」

「…成程ね」

俺が時魔法、ルイーシュが空間魔法を得意とするように。

向こうも、それぞれ特殊な魔法を得意としてる訳か。

…上等。

「負けやしないから、心配するな」

「負けるとは思ってませんよ。この僕に勝ったんです。あんなモブ共に、やられるあなた達だとは思ってません」

言ってくれるじゃないか。

じゃあ、有言実行させてもらうとしよう。

「行くぞシルナ。速攻三人目を仕留めてやる」

「やる気満々だね。よし、行こう。学院のことは任せるね」

「了解です」

ナジュに見送られ、俺とシルナは、『カタストロフィ』のメンバーと相対する為に、学院を後にした。
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