神殺しのクロノスタシス2
「まぁ、この歳になっても生きてるってことは…それなりに生きる価値のある世界なのかもな」

嫌になったら、とっくに人生やめてるだろうから。

「まぁ、心配するなベリクリーデ」

「何?」

「お前はまだ若い。これから、色んな人に出会えるさ」

「…」

そして、その中に幸せを見つけることも出来るだろう。

焦る必要はない。

しかし、ベリクリーデは無言で、じーっと上目遣いで俺を見つめていた。

「…何見てんだ?」

「ジュリス」

そりゃそうだろうけど。

「何考えてる?」

「ジュリスが、お祖父さんみたいなこと言ってるなぁって思って」

「余計なお世話だ」

どうせ、俺はお祖父さんですよ。

殺されない限り、寿命が無限なもんだから。

「大体な、ベリクリーデお前…、」

言いかけて、俺は咄嗟に、ベリクリーデを突き飛ばした。

上手く着地したらしく、床にぺたんと座り込んだベリクリーデ。

そして、先程までベリクリーデが座っていた場所に。

ベリクリーデに代わって、魔力で出来た矢が、鋭く突き刺さっていた。
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