神殺しのクロノスタシス2
「全く、この汚い部屋、早く何とかしたいとずっと思ってたんですよ」
「…」
「無駄な書類ばかり集めて。これだから、重要な書類をすぐになくすんです」
「…」
「ご覧なさい、書類の束の下に、チョコレートの箱を隠して…。知能が小学生以下なんですから」
「…」
「これはゴミ。こっちもゴミ。何ですかこれは。捨てましょう」
僕は、心の中で学院長に謝った。
僕は止めましたからね。家主がいないのに勝手に入るのは…って。
でも、あなたが悪いんですよ。
他でもないこのイレースさんに、学院長代理を任せたのは、あなたなんですから。
僕と天音さんは、目の前で広がっている光景を、ただ黙って眺めていた。
何をやっているのかと言うと…いや、もう言うまでもないが…掃除である。
イレースさんは、本来の家主がいない間に、学院長室の大掃除を始めたのである。
イレースさんはまず、大きなゴミ袋を何枚もと、職員室に置いてあるシュレッダーを持ってきて。
容赦なく、片っ端から、片付けを始めてしまった。
一応保身の為に、もう一度言っとくけど。
僕、止めたからな。
悪いの僕じゃないんで。はい。
学院長室は、イレースさんの手によって、美しく生まれ変わろうとしていた。
イレースさんが精査し、要らないと判断されたものは、ドサドサドサ、とゴミ袋に容赦なく叩き入れられ。
学院長秘蔵のチョコレートの箱も、ゴミ箱いき。
あーあ…。勿体な…。
そして、書類。
溜めに溜め込んでいた、無駄な書類の山。
次々と、シュレッダーにドガガガガと吸い込まれ。
紙屑と化していった。
しまいには、シュレッダーが限界を訴えていた。
シュレッダーが、吸い込み途中の紙束を挟んだまま、ピーピー鳴り出した。
キッ、とシュレッダーを睨み付けるイレースさん。
怖っ。
見てみると、真ん中の方のライトがぴかぴか点灯していた。
あれだ、これ。
中のゴミ袋が一杯になっているので、替えてくださいと訴えてるのだ。
もう私、お腹一杯だから、これ以上食べられません状態。
しかし。
イレースさんは、シュレッダーのダストボックスを引っ張り出した。
ダストボックスに入っていたゴミ袋は、既に飽和状態。
さすがにあれは取り替えなきゃいけないだろう…と、思ったが。
甘かった。
「まだ入るでしょう。ゴミ袋だって経費のうちに入ってるんですから、無駄に使う余裕はありません」
との、冷徹なお返事。
イレースさんは、ゴミ袋の中に、大胆に両手を突っ込み。
裁断された紙屑を、ぎゅうぎゅうと押し込んだ。
紙屑の悲鳴が聞こえた気がした。
無理矢理押し込んだことで、更なるスペースを確保。
再びダストボックスをシュレッダーに戻し、裁断開始。
「お腹一杯って言ったのに…」という、シュレッダーの泣き声が聞こえた気がした。
これには、天音さんも絶句。
しかしイレースさんだけは、容赦なく不要な書類をシュレッダーにかけ続けた。
さすが、元ラミッドフルスの鬼教官。
心から尊敬しています。はい。
「…」
「無駄な書類ばかり集めて。これだから、重要な書類をすぐになくすんです」
「…」
「ご覧なさい、書類の束の下に、チョコレートの箱を隠して…。知能が小学生以下なんですから」
「…」
「これはゴミ。こっちもゴミ。何ですかこれは。捨てましょう」
僕は、心の中で学院長に謝った。
僕は止めましたからね。家主がいないのに勝手に入るのは…って。
でも、あなたが悪いんですよ。
他でもないこのイレースさんに、学院長代理を任せたのは、あなたなんですから。
僕と天音さんは、目の前で広がっている光景を、ただ黙って眺めていた。
何をやっているのかと言うと…いや、もう言うまでもないが…掃除である。
イレースさんは、本来の家主がいない間に、学院長室の大掃除を始めたのである。
イレースさんはまず、大きなゴミ袋を何枚もと、職員室に置いてあるシュレッダーを持ってきて。
容赦なく、片っ端から、片付けを始めてしまった。
一応保身の為に、もう一度言っとくけど。
僕、止めたからな。
悪いの僕じゃないんで。はい。
学院長室は、イレースさんの手によって、美しく生まれ変わろうとしていた。
イレースさんが精査し、要らないと判断されたものは、ドサドサドサ、とゴミ袋に容赦なく叩き入れられ。
学院長秘蔵のチョコレートの箱も、ゴミ箱いき。
あーあ…。勿体な…。
そして、書類。
溜めに溜め込んでいた、無駄な書類の山。
次々と、シュレッダーにドガガガガと吸い込まれ。
紙屑と化していった。
しまいには、シュレッダーが限界を訴えていた。
シュレッダーが、吸い込み途中の紙束を挟んだまま、ピーピー鳴り出した。
キッ、とシュレッダーを睨み付けるイレースさん。
怖っ。
見てみると、真ん中の方のライトがぴかぴか点灯していた。
あれだ、これ。
中のゴミ袋が一杯になっているので、替えてくださいと訴えてるのだ。
もう私、お腹一杯だから、これ以上食べられません状態。
しかし。
イレースさんは、シュレッダーのダストボックスを引っ張り出した。
ダストボックスに入っていたゴミ袋は、既に飽和状態。
さすがにあれは取り替えなきゃいけないだろう…と、思ったが。
甘かった。
「まだ入るでしょう。ゴミ袋だって経費のうちに入ってるんですから、無駄に使う余裕はありません」
との、冷徹なお返事。
イレースさんは、ゴミ袋の中に、大胆に両手を突っ込み。
裁断された紙屑を、ぎゅうぎゅうと押し込んだ。
紙屑の悲鳴が聞こえた気がした。
無理矢理押し込んだことで、更なるスペースを確保。
再びダストボックスをシュレッダーに戻し、裁断開始。
「お腹一杯って言ったのに…」という、シュレッダーの泣き声が聞こえた気がした。
これには、天音さんも絶句。
しかしイレースさんだけは、容赦なく不要な書類をシュレッダーにかけ続けた。
さすが、元ラミッドフルスの鬼教官。
心から尊敬しています。はい。