神殺しのクロノスタシス2
「そうですか…。クィンシーが死にましたか」

後でナジュさん、天音さんを集めて、私達は学院長室に集まっていた。

「やはり、気が重いですか?かつての同僚が殺されたのは」

「いいえ、全く。いけ好かない女だな、とずっと思ってたので」

確かに、いけ好かない女だった。

私は、ああいう下品な女は嫌いなのだ。

「…あの、ところで」

と、挙手する天音さん。

「何ですか?」

「イレースさんに言われるままに、結晶を落としましたけど…。あれ、何だったんですか?」

「あぁ…」

クィンシーを、どうやって殺したのかという話か。

「あの透明な結晶には、私の魔力が含まれてまして、あらかじめ敵の周りに設置し、起動することで、魔法陣が出来るんです」

「…!」

「今回使ったのは『反射』の魔法。バカスカ攻撃放ってましたからね。それらを全て反射してやれば、そっくりそのまま、出した攻撃が自分に跳ね返ってくるんです」

「…成程…」

「戦いながら、的確な場所に結晶を落とさなければならないので、本来は難しいんですが…」

逃げる振りをしながら、魔法陣完成の為に結晶を設置する。

逃げる振りとはいえ、どうしても挙動不審に見えるので、魔法陣を張ろうとしているのだと悟られ、失敗することの方が多いのだが。

「今回は、敵が馬鹿で助かりました」

私が逃げる振りをしながら結晶を落としていることに、全く気づいていなかった。

お陰で、上手く魔法陣を発動させられたという訳だ。

「成程ねー…。レイモンド、パーシヴァル、サディアス、そしてクィンシー…。呆気ないもんですね」

「…」

残りは、二人。

その二人が敗北したとき、私達の勝利が決まることだろう。
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