神殺しのクロノスタシス2
「マジかよ…。学院が狙われてたのか」

「あぅぅ…。良かった、イレースちゃん達がいてくれて…」

本当にな。

生徒に被害が出てたら、洒落にならんところだった。

イレース達が上手くやってくれたようで、何より。

で。

「ということは…。『カタストロフィ』はもう、二人しか残ってないってことか」

「そうだね」

リーダーのヴァルシーナと…あと、モブが一人。

そして、その残る一人のモブも、俺達がこれから叩きに行こうとしている。

『カタストロフィ』の崩壊も間近だな。

仲間達が、あんなに頑張ってくれたのだ。

俺達も、それに答えないとな。

「エリュティア君が言うには…この辺りにいるはずなんだけど…」

「面倒臭いから、さっさと出てきてくれねぇかな…」

「いや、そんな都合良く向こうからは…」

「貴様ら、イーニシュフェルト魔導学院の魔導師だな」

…ん?

聞き覚えのない声がして、俺達は揃って振り返った。

そこには、いかにもという風に杖を持った青年。

…そんな都合良く…。

…あれ?

「もしかして…あの、間違ってたら済みませんけど…」

シルナが、おずおずと尋ねた。

人に道聞くみたいに。

「…『カタストロフィ』の方ですか?」

いやそんなまさか。きっとよく似た人違いに違いな、

「いかにも。『カタストロフィ』の一翼、名をシルヴェスタ」

「…」

「…本当に都合よく来ちゃったよ…」

向こうは、多分めっちゃ真面目なんだろうけど。

俺達からしたら、拍子抜けして、これから戦闘が始まるとは、思いもよらなかった。
< 420 / 742 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop