神殺しのクロノスタシス2
ある日のこと。

村の占い師のような、怪しげな老婆がやって来る。

私を見て、そしてぎょっとした。

「…これは鬼だ」

老婆は身体を震わせながら、そう言った。

…鬼?

鬼って何?

「これはとんでもない忌み子だよ。なんて気味が悪い…」

何?

何を言ってるの?

「この子は、生きているだけで人を不幸にする」

この人、何言ってるの?

私は、私はただ。

「大きな災いを呼ぶ鬼だ。殺してしまった方が良い」

愛されたいだけなのに。

この人は、何でそんな目で。

皆して、どうしてそんな目で。

私が全ての不幸の塊のように、そんな目で見るの?
< 439 / 742 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop