神殺しのクロノスタシス2
「はー帰ってきた帰ってきた。たっだいま~」

シルナは、るんるんと廊下をスキップしていた。

…ちょっと皆、おっさんが満面笑みでウキウキスキップしてるところ、想像してみてくれ。

「ゲッ」って思ったろ?

俺も思ってる。

まぁ仕方がない。あんなトラウマの塊みたいなものを見せられた後なんだし。

『カタストロフィ』も、残り一人になったことだし。

学院に戻って、少しは一息つけるか…と。

思っていた矢先。

「ただいま、私の学院長し、えぇぇぇぇ!?」

「は?」

しぇぇぇって言ったぞこいつ。

何だ。何かいたのか?

硬直するシルナを押し退け、学院長室に入ると。

部屋の中で、まるで私が学院長です、みたいな顔で、ナジュが座っていた。

「あ、お帰りなさい学院長、羽久さん」

「…ただいま…」

俺も歯切れが悪かった。

成程、シルナが奇声をあげた理由が分かった。

別に、ナジュがいることにびびった訳じゃない。

俺達がいない間に。

学院長室が、リフォームされてる。
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