神殺しのクロノスタシス2

side羽久


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 第二部7章 (27/38)

──────…で、今に至ると。

「こんな経緯で、改めて和解しました」

「あ、そう…」

まぁ、なんだ。

円満に解決出来て良かったな。

天音の方も、随分葛藤して、そして覚悟したんだろうな。

でも、他の誰もナジュを許さないなら、自分だけは許すって。

天音、お前本当に優しい奴だな。

前世、弥勒菩薩か何かだろ。

…あ、そうだ。

「新聞部の三人は?お前後輩として入部してたんだろ」

「あーあの三人?特に何も。むしろ『まさか教師だったとは!是非取材させてください!』って頼まれて」

成程、それで明日そのインタビューを受けると。

あの新聞部の三人、メンタルタフ過ぎないか?

「人気者で困っちゃいます。ねぇ学院長」

「ぐぬぬぬ…」

若者(イケメン)に負けて、歯軋りする学院長。

やめとけ。負け惜しみにしか見えん。

「じゃ、授業あるんで行きますね。さよなら~」

「あっ!こらナジュ君!」

ひらひらと手を振って、さっさと退出するナジュ。

…あいつ、本当性格悪いな。

本当に教師にして良かったのか?

で、残されたシルナは。

「…うぇぇぇーん…」

「…何でまた、俺に泣きつくんだよ…」

勝てなかったんだな。勝てなかったんだなイケメンカリスマ教師(性格悪い)に。

気にするな、シルナ。

お前は堂々たる、イーニシュフェルト魔導学院の学院長だ。





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