神殺しのクロノスタシス2
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第二部7章 (31/38)
「あっ、部室に誰か入ってきたよ」
ナジュか?
「どうも、お久し振りです先輩方」
「ナジュ先生!ようこそいらっしゃいました!」
やっぱりナジュだった。
「いやはやこの度は済みません、あなた方を騙して入部し、新聞部の環を乱すような真似を…」
「とんでもないです!」
「むしろ『あの』大人気教師、ナジュ先生にコネが出来たので!」
「私達は大満足です!」
感激のご様子の新聞部三人組。
「大人気…。大人気なのは私だったのに…」
で、盗み聞きしてる癖に、悔しそうに歯軋りしているシルナ。
「まぁ今回はそのお詫びも兼ねて、何でも答えますよ」
「本当ですか!?」
「聞きましたね二人共!」
「はい!しっかり聞きました!」
取材への意気込みに燃える、新聞部三人組。
「ふっ。あーあ、ナジュ君たら、何でも答えるなんて言っちゃって。後で痛い目見るぞ~」
「…」
ほくそ笑む学院長。
自分も前にやられたもんな。
人の不幸を喜ぶって、お前教師としてどうなんだ。
「では!早速!」
「色々お聞きしていこうと思いますが!」
「準備のほどは、大丈夫でしょうか!」
ぐいぐい迫っていくあの三人の姿が、目に見えるようだ。
しかし、ナジュは特に狼狽えることもなく。
「大丈夫ですよ、どうぞ」
何事もない感じで、さらっと言った。
「では!まず質問一つ目!」
「ずばり、ナジュ先生には」
「彼女がいるって本当ですか!?」
「あ、はい本当ですよ」
「!?」
…。
…あ、今驚愕したのは新聞部の三人組じゃなくて、隣で盗聴してるシルナだからな。
自分だったら、死ぬほど狼狽えに狼狽え、びびり散らかすのに。
ナジュの奴、こんなにあっさり認めやがった、とか。
思ってるんだろうなぁ。
そりゃ、あの性格的に、ナジュなら大抵のことは包み隠さず答えるだろう。
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