神殺しのクロノスタシス2
「うっ…」

シュニィは口許を押さえ、苦しそうに嘔吐き始めた。

えっ。

「だ、だ、大丈夫シュニィちゃん?」

「す、済みません…けほっ…」

「こちらに」

慌てて駆け寄ろうとするシルナを制し、すかさずイレースが立ち上がった。

レストルームに連れ添うなら、シルナよりも、同じ女性であるイレースの方が良いに決まってる。

一時退席する、シュニィとイレース。

「ど、どうしたんだろうシュニィちゃん?」

「体調悪かったのか…」

「そういえばさっきも、最近よく立ちくらみがして困る…って言ってたよ」

と、ベリクリーデ。

おいおい。大丈夫かシュニィ。

一体何事が。

「あぅ~…。シュニィちゃん…。シュニィちゃん大丈夫かな…」

おろおろうろうろするシルナ。

落ち着け。

見に行きたいのは分かるが、同性でも嫌だろうに、異性相手に嘔吐する姿を見せたくはないだろう。

…おろおろするシルナを横目に、しばらく待っていると。

「…失礼を致しました…」

「あっ、シュニィちゃん」

イレースに付き添われて、シュニィが戻ってきた。

吐き気は収まったようだが、まだ顔は青いままだ。

体調が良くないのは、一目瞭然。

「大丈夫?具合悪いの?」

「済みません…。見苦しいところを…」

「そんな。体調悪かったなら、言ってくれれば良かったのに」

「熱とか、大丈夫?頭痛い?」

「いえ…。熱はないんですが…」

…ふむ。

最近暖かくなってきたとはいえ、日によって、急に寒くなったりもするからな。

シュニィでなくとも体調を崩すことはあるだろうが…。

…そういえば、先月来たときも。

立ちくらみがする、って言ってたよな?

それよりもシルナがグロッキーで、忘れかけていたけれど…。
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