神殺しのクロノスタシス2

前のページへ
 第二部7章 (34/38)

もうシルナもキャパオーバー起こしてるし、そろそろインタビューも終わって欲しいのだが?

しかし、ベルカはここからが本番と言わんばかりに、立て続けに質問を続けた。

「将来の夢とかありますか!?」

そんな、子供じゃないんだから。

しかし、ナジュは平気で答える。

「彼女と添い遂げることですかね」

そこは大丈夫だろう。

お前達が死ぬときは、多分世界が終わる日だ。

「生まれ変わったら何になりたいですか?」

「もう一回ナジュ・アンブローシアに生まれ変わって、もう一回彼女に会って、もう一回添い遂げます」

恥ずかしげもなく言い切れるってのが、あいつの良いところだよな。

むしろ、恥ずかしいと思うことはあるのか?奴は。

「あぁでも、いっそ異国で、王子とかに生まれて、マフィアに入って、格好良い死神の弟子をやるってのも面白そうですね」

何処の世界の話だ、それは。

「ナジュ先生の座右の銘は?」

「死ななきゃ安い」

お前が言うと、言葉の重みが違うな。

「自分の性格はどんな感じ、とか分かりますか?」

「性格はね、自分では良いと思ってるんですが、他人からは悪いと言われることの方が多いです」

だろうな。

自覚があるようで何より。

「自分を動物に例えると?」

「プラナリアです」

ずばりだな。

「じゃあ、色で例えると?」

「紫寄りの青。ミステリアスクールって感じで格好良いでしょ?」

自惚れるな。

「尊敬している人はいますか?」

「自分です」

自惚れるな。

どんだけ自分に自信があるんだ、あいつは。

少しは謙虚さというものを学べ。

「ナジュ先生って、怒ることあるんですか?」

「どうなんでしょう?自分が怒ってる記憶って特にないんですよね。他人を怒らせることはよくあるんですが」

だろうな。

その性格じゃ無理もない。

「じゃあじゃあ、最後に一つ質問して良いですか?」

お、ようやく終わりか。

「何でしょう」

「イーニシュフェルト魔導学院に赴任してきて、良かったと思ってますか?」

「…んー…そうですね、まぁ…」

と、少し考えてから。

「…一人でいたときよりは、今の方がずっと幸せですかね」

「そうですか!それは良かった」

…本当にな。

ナジュほど苦労して生きてきた奴は、ここらで少しは楽にならなきゃいけないんだ。

…まぁ、ちょっと性格に難はあるけど。
< 482 / 742 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop