神殺しのクロノスタシス2
「じゃあ僕は帰りますね」

ガタン、とナジュが席を立つ。

「ありがとうございました!」

「またの機会がありましたら!」

「どうぞ宜しくお願いします!」

息ぴったりだなあの三人。

またの機会、あるのか?

「はいはい、いつでもどうぞ~」

まぁナジュは人気者だし、今回のインタビュー記事が配られたら、話題沸騰で第二段があるかも。

ともあれ、これでようやく盗聴も終わりだ…と、思っていたら。

ガチャ、と扉が開いた。

目が合う。盗聴した者(俺達)と、盗聴された者(ナジュ)。

「…お宅らはさっきから、何をやってるんですか?」

「…」

…やっぱり盗聴バレてたんですね。はい。

「別に何も疚しいことなんてないんだから、聞きたいなら一緒に部室までついてくれば良いのに」

「いや、俺は反対したんだぞ?シルナがどうしてもって言うからさ」

「そうでしょうよ。しかし盗聴魔法なんて、学院長ともあろう者が、なんていやらしい魔法使ってんですか」

お前が言うか。

隙あらば人の心を読むお前が言うか。

「だって…。聞きたかったんだもん…」

いじける学院長、シルナ。

どんなに足掻いても、ナジュの方が人気が上なのは変わらない。

当たり前だ。皆イケメン好きだからな。

小汚ないおっさんより、イケメンの方が良いに決まってる。
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