神殺しのクロノスタシス2
で、今年もまた遠足に行くことが決まった訳だが。

遠足自体は決まっているが、行き先はまだ決まっていない。

そこで、シルナが持っている、たくさんのパンフレット。

こういうときは、準備早いと言うか…ちゃっかりしてるよな。

「これなんてどう?『栗拾い取り放題!拾った栗は全てお持ち帰り可!』だって」

まぁ秋だからな。

定番イベントではある。

しかし、大蔵省イレースは。

「何が拾った栗はお持ち帰りですか。そういうのは、どうせ元を取れるほど拾えないように出来てるんですよ」

との、冷たい一言である。

まぁ…あれだよ。

大抵の『~放題』っていうのは、元が取れないように出来てるから。

向こうもな、商売だから。

「しかも、拾った栗をどうするんですか。虫は出てくるわ、皮は硬いわで、調理が大変でしょう」

「そ、それは…」

「この人今、連想ゲームしてたんですよ頭の中で。『秋→秋の食べ物→栗→モンブランだ!』みたいに。要するにモンブランが食べたいだけです」

素晴らしい解説だ、ナジュ。

俺も、そんなことだろうと思ってたよ。

シルナの考えることなんて、大抵そういうもんだ。

「じゃあこっちの、『お芋掘り放題フェア』は…」

「モンブランがスイートポテトにシフトチェンジしましたね」

すかさず心を読むナジュ。

まぁそうだろうな。

そして、イレースも。

「却下です」

「酷い!」

シルナの考えることなんて、本当こんなもんだから。

俺としては、もう慣れてるから、好きにしてくれ。
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