神殺しのクロノスタシス2
一年生達と、俺達三人の教師陣を乗せたバスが、動物園に到着した。

しかし、今更ながら。

魔導学院の生徒が楽しく遠足って、なんか間違ってるような、何て言うか…。

「あっ、着いた着いた!見て羽久!キリン!キリンがほら!ちらっと見えるよ!」

「…」

生徒以上に楽しんでるな、この男。

まだ動物園に入ってもいないんだけど?

「長い人生生きてるでしょうに、今更キリンで喜ぶとは…」

「キリンには恵まれない人生だったんだろ、多分…」

もう、こいつは放置で良い。

多分放っとけば、猿の厩舎に勝手に入ってるだろう。

「はいはい生徒達~。こっち並んで。チケット配るから」

「団体客用のゲートから入りますよー」

引率にナジュがいてくれて良かった。

「あっ!ゾウだ!ゾウがちらっとほら!ねぇゾウ!」

ゾウが何だよこの野郎。

こいつがこの体たらくでは、まともに引率も出来やしない。
< 494 / 742 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop