神殺しのクロノスタシス2
(シルナにとって)おぞましい爬虫類エリアを抜け。

次にやって来たのは、お待ちかねの猿エリア。

おいシルナ、仲間がいるぞ、仲間が。

お前によく似てるよ。

「猿って意外と種類多いんですねー」

「あぁ…」

「あ、オランウータンいますよ学院長。仲間ですよね」

「!?」

この中にシルナが紛れてても、多分違和感ない。

…とはいえ。

「どれ見ても、面構えは学院長のそれと変わりませんし。猿エリアはつまんないですねー」

おい、おいコラナジュ。

動物園の人だって、各種至るところから何種類もの猿集めて、ちゃんと世話してんだぞ。

面構えのくだりは異論ないが、猿エリアつまんないとか言うな。

可哀想だろ。

猿だってシルナだって、頑張って生きてんだぞ。

「ところで羽久さん」

「は?」

「そろそろ集合時間来ますけど。中央広場、行きます?」

言われて、腕時計を見る。

本当だ。そろそろ時間だな。

引率する俺達が遅れてんじゃ、生徒に示しがつかないし。

「戻るか」

「え~?まだ猿見てたい」

我が儘か。

「だったらいっそここで、猿と一緒に展示されてこい!」

「それは嫌だぁぁ。羽久と帰る」

子供か。

シルナは、オランウータンの群れに戻るのをやめ、俺達と共に中央広場についてきた。
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