神殺しのクロノスタシス2
生徒達にとっても、露天風呂のお湯はちょっと熱かったのか。

それとも、シルナが長湯し過ぎたのか。

俺達が着替えて、ロビーに出る頃には、ほとんどの生徒が既に戻ってきていた。

待たせてしまったか。申し訳ない。

「おいシルナ、点呼取って、帰りのバスに…」

「あー…。良いお湯だったなぁ…。日頃の疲れが取れたよ…」

駄目だ。普通に温泉堪能し過ぎて、頭の中がお花畑になってる。

仕方ない。こうなったら、気が進まないが、もう一人の教師に…。

「ナジュ、生徒の点呼、」

「案外、覗きスポットって見つからないんですよね。セキュリティ強過ぎるのも良くないと思うんですけどね僕は」

最早論外。

もう良い。俺が点呼を取る。

そして、この煩悩二人は、ここに置き去りにして帰る。

断捨離だ、断捨離。

置いて帰った方が、余程学院の為になるというものだ。

とは言っても、この二人を置いて帰ったら、ベルカのご両親に申し訳ないので。






仕方なく、連れて帰るしかなかった。

言っとくが、苦渋の選択だったんだからな。

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