神殺しのクロノスタシス2
しかし、ナジュはそれでも面倒臭いらしく。

「…あーダルい…」

「…言うな…」

こっちまで伝染するだろ。

「生徒は、試験やだ~やりたくな~いとか言ってますけど、僕だって試験問題作るの面倒なんですからね?分かってます?」

誰に言ってんだ。

「…ねぇ、羽久さん」

「あ?」

「ちなみにこの試験って、赤点補習は何点以下なんですか?」

「あー…」

赤点ね。たまにいる。

特にイレースの科目は、試験問題が難しいもんだから、赤点で補習授業を受ける生徒が、毎回数人いる。

イレースは仕方ない。試験に関して、イレースに慈悲を求めるのは無謀だ。

「平均点にもよるけど…。基本的には30点未満が赤点だな」

つまり、ギリ30点ならセーフだけど、29点以下だったら赤点ってこと。

「成程…。じゃあ、名前書いたら30点ってことにしとこう」

おい。

「何処の底辺校の試験問題だよ」

一応イーニシュフェルト魔導学院は、ルーデュニア聖王国一の魔導学校なんだぞ。

そんな学校の試験が、名前だけで30点って。

「だって、赤点取った生徒がいたら、放課後に補習授業しなきゃならないじゃないですか」

「それはそうだけど…」

「冗談じゃないですよ。普段の授業だって面倒なのに、更に放課後まで拘束されるとか。どんな罰ゲームですか」

この野郎。

こっちのモチベーションが下がるじゃないか。

「良いからちゃんと問題を考えろ!お前の担当科目、そんなに多くないだろ」

すると。

「ちょっとうるさいですよ。私、問題考えてるんですから」

イレースに、キッ、と睨まれた。

待って。俺悪くない。

それなのに、ナジュは。

「♪♪♪~」

「…この野郎…」

試験問題より先に、お前を片付けてやろうか。
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