神殺しのクロノスタシス2

sideジュリス

─────…一方、その数分後。

聖魔騎士団に、イレースから伝達魔法が飛んできた。

そのせいで、俺はまたしても、ベリクリーデの護衛を任されることになってしまった。






「おい、おいベリクリーデ」

「何~?」

ペアを組んだときから、ずっと思っていたが。

相変わらずこいつには、危機感というものがない。

「例の、『カタストロフィ』のリーダーいるだろ?」

「…?…うん」

おい、本当にちゃんと覚えてるのか?

今、ちょっと考えただろ。

まぁ、思い出したんなら良いけど。

「そいつと、決着つけに行ったとさ。学院長コンビと、読心野郎が」

「わー」

わーじゃねぇよ。

他人事みたいに。

「一応お前も、警戒しとけってさ」

「うん、分かった」

「本当に分かってるのか?」

あまりにも軽く頷くので、本当に分かってるのか心配になる。

「ジュリスが守ってくれるから、大丈夫」

「…」

…他人任せかよ。

信頼されてるってことなのか?そう解釈して良いのか?

「…はぁ」

ともかく、何かあったら俺がこいつを守れば良いんだろ?

分かりましたよ。

「…生きて帰れよ、シルナ・エインリー」

お前の選んだ世界は、間違っていなかったのだと。

俺達に、示してみせてくれ。





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