神殺しのクロノスタシス2
「…貴様、寝返った挙げ句、私の前に姿を表すとは」

…随分酷いことを言う。

心外だ。

「そこまで薄情じゃありませんよ、僕は」

お互い、利用し合うだけの関係だった。

それでも、一度は手を組んだ者同士。

けじめくらいは、自分の手でつける。

ほら、僕不死身じゃん?

それに。

「シルナ・エインリーには、恩がありますし」

彼が僕の精神世界を開き、互いに再会することが出来た。

ついでに、イーニシュフェルト魔導学院という居場所を、僕にくれた。

だから、その恩を返す。

けじめをつけ、恩も返す。

一石二鳥とはこのこと。

問題は、ヴァルシーナが僕より強いって点だが。

そこは、大した問題ではない。

どうせ不死身なんだから、何回やられたって大丈夫。

いつかは勝てるだろ。多分。

何の問題もな、

「…ルーチェス・ナジュ・アンブローシア」

「はい?」

「私は、お前の悲願を叶えることが出来る」

「…はい?」

新たな問題発生。

今あなた、何て言った?
< 554 / 742 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop