神殺しのクロノスタシス2
聖魔騎士団魔導部隊隊舎にて。

シルナ含め、俺達魔導部隊の大隊長達が、一同に集結していた。

大変珍しい光景である。

と、いうのも…。

「えー…。皆さんもうご存知のことと思いますが…」

シルナが、皆に向かってそう切り出した。

お前、魔導部隊所属とはいえ、大隊長でもない(ただの名誉顧問)癖に、仕切り役なんだな。

まぁ、本来の仕切り役であるシュニィが不在なので、こういう役割になるのは仕方ない。

「我が魔導部隊の部隊長、シュニィちゃんが、めでたく第二子を妊娠しました」

シルナ、にっこにこで報告。

そして。

「いやー、めでたい!めでたいねぇルイーシュ君」

「全くですよ。俺、昨日二人の代わりにお祝いに鯛めし食べました」

良いな鯛めし。

「そろそろだろうと思ってたら、案の定だったな」

「おめでたいことで、何よりです」

と、ジュリスとクュルナ。

「だが、シュニィとベリクリーデは、確か特別な任務に着く予定じゃなかったか?あれはどうなる?」

と、無闇。

良いところに気づく。

「そうなんだよ。今日は、その相談をする為に、皆に集まってもらったんだ」

…ちなみに。

厳密には聖魔騎士団の魔導師ではないが、この場にはイレースも参加している。

イレースは、このメンバーと肩を並べる実力のある魔導師だからだ。

そして、彼らが集められた理由は一つ。

「皆、シュニィちゃんが作成してくれた『禁忌の黒魔導書』を巡る一件に関する報告書は、読んでもらってるよね」

当然という風に、皆が頷いた。

ただし、ルイーシュは。

「…まぁ流し読みしただけなんですけど」

「…真面目に読めよ、お前…」

…ルイーシュはいつもそんな感じだから、まぁ良いだろう。

ある意味、通常運転だ。
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