神殺しのクロノスタシス2
「…」
…なぁ。
これ、どうしたら良い?
浮浪者…いや、やっぱり一周回って不審者か?
もうどっちでも良いけど。
「ちょっと、ちょっとお前」
ゆさゆさ、と倒れている少年の肩を揺さぶった。
「大丈夫か。生きてるか?」
「…あぁ…三途の川が見える…。三途の川が…」
全然大丈夫じゃなさそう。
ひとまず、生きていることは分かった。
行き倒れてるけど。
「三途の川はない。こっちに戻ってこい」
「あぁ…走馬灯が…。あれは確か、僕が生後半年の頃のこと…」
「何で生後半年の記憶があるんだよ」
生後半年から始まるのかよ。長そうだな、お前の走馬灯。
生きてるから、走馬灯やめて良いぞ。
「ほら、しっかりしろ」
少年を仰向けにすると、焦点の合ってない目が、虚空を見つめていた。
「そしてあれは…僕が生後8ヶ月の頃のこと…」
まだ言ってるし。
生後8ヶ月の出来事を、何で覚えてるんだよ。
「生きてるんだから、走馬灯やめろ!ほら、ちょっと来い」
俺は、小柄な少年を抱き上げた。
「皆、この人は俺が預かるから、各自自習するように!」
「は、はい…」
と、生徒達に指示した後。
俺は少年を抱いて、保健室に向かった。保健室にて。
少年をベッドに寝かせ、脈を計る。
衰弱してるが、生きては…いるようだな。
「そしてあれは…僕が生後2ヶ月のこと…」
走馬灯逆走してるぞ。
すると、そこに。
「どうしたの羽久。大丈夫?」
分身を通じ、騒ぎを聞き付けたらしいシルナが、保健室にやって来た。
その「大丈夫?」は、こいつに聞いてやってくれ。
「なんか…。浮浪者が、わざわざうちの学院で行き倒れやがった」
「う、うん…。切羽詰まってたんだねきっと」
「よく分からんが、診てやってくれ」
「分かった」
イーニシュフェルト魔導学院に、所謂「保健室の先生」はいない。
と言うのも、一応シルナが医者でもあるから。
保険医も兼ねてってことで、普段生徒が体調を崩したときの診察は、シルナ分身の保険医が行っている。
天音とか、うちの学院で保険医やってくれないかな。
「まだ子供じゃないか~。可哀想に。すぐ診てあげるからね~。大丈夫だよ~」
「そしてあれは、僕が生後100年の頃…」
「越えてる!君今の年齢越えてる!それ走馬灯じゃなくて幻!」
…本当に大丈夫なのか、心配になってきた。
…なぁ。
これ、どうしたら良い?
浮浪者…いや、やっぱり一周回って不審者か?
もうどっちでも良いけど。
「ちょっと、ちょっとお前」
ゆさゆさ、と倒れている少年の肩を揺さぶった。
「大丈夫か。生きてるか?」
「…あぁ…三途の川が見える…。三途の川が…」
全然大丈夫じゃなさそう。
ひとまず、生きていることは分かった。
行き倒れてるけど。
「三途の川はない。こっちに戻ってこい」
「あぁ…走馬灯が…。あれは確か、僕が生後半年の頃のこと…」
「何で生後半年の記憶があるんだよ」
生後半年から始まるのかよ。長そうだな、お前の走馬灯。
生きてるから、走馬灯やめて良いぞ。
「ほら、しっかりしろ」
少年を仰向けにすると、焦点の合ってない目が、虚空を見つめていた。
「そしてあれは…僕が生後8ヶ月の頃のこと…」
まだ言ってるし。
生後8ヶ月の出来事を、何で覚えてるんだよ。
「生きてるんだから、走馬灯やめろ!ほら、ちょっと来い」
俺は、小柄な少年を抱き上げた。
「皆、この人は俺が預かるから、各自自習するように!」
「は、はい…」
と、生徒達に指示した後。
俺は少年を抱いて、保健室に向かった。保健室にて。
少年をベッドに寝かせ、脈を計る。
衰弱してるが、生きては…いるようだな。
「そしてあれは…僕が生後2ヶ月のこと…」
走馬灯逆走してるぞ。
すると、そこに。
「どうしたの羽久。大丈夫?」
分身を通じ、騒ぎを聞き付けたらしいシルナが、保健室にやって来た。
その「大丈夫?」は、こいつに聞いてやってくれ。
「なんか…。浮浪者が、わざわざうちの学院で行き倒れやがった」
「う、うん…。切羽詰まってたんだねきっと」
「よく分からんが、診てやってくれ」
「分かった」
イーニシュフェルト魔導学院に、所謂「保健室の先生」はいない。
と言うのも、一応シルナが医者でもあるから。
保険医も兼ねてってことで、普段生徒が体調を崩したときの診察は、シルナ分身の保険医が行っている。
天音とか、うちの学院で保険医やってくれないかな。
「まだ子供じゃないか~。可哀想に。すぐ診てあげるからね~。大丈夫だよ~」
「そしてあれは、僕が生後100年の頃…」
「越えてる!君今の年齢越えてる!それ走馬灯じゃなくて幻!」
…本当に大丈夫なのか、心配になってきた。