神殺しのクロノスタシス2

sideステラ

──────…久々に目を覚ましたら。

シルナ学院長とイレース先生が、何やら頭を抱えていた。

家を追い出された少年の処遇をどうするかで、困っているようだ。

そんなに困ることだろうか?

「私」は、そうは思わない。

「置いてあげれば良いじゃない」

「…?」

「本人は、ここで働きたいって言ってるんでしょ?だったらそうさせてあげれば良いじゃない。雑用も手伝ってくれるし、ここなら学生寮もあるから、部屋は簡単に貸してあげられるし」

「…えーっと、ステラちゃんかな?」

「そうだよ」

久し振りだね。

大体いつも羽久だから、今日は私が出てきてみた。

「私としては、雑用を手伝ってくれるなら有り難いですけど…」

と、イレース先生。

うんうん、だよね。

「保護者もいないんでしょ?じゃあシルナ学院長が、保護してあげれば良いじゃない。帰りたいって言ったら帰してあげれば良いんだし」

「…うーん…」

まだ迷ってる様子。

「受け入れてくれる施設はナシ。無理矢理返したところで、また追い出されるだけだよ」

それじゃ意味がない。

また浮浪者に逆戻りだ。

そんなの、可哀想じゃないか。

まだ子供なのに、自分の居場所も分からないなんて。

「…仕方ないか。分かったよ、ステラちゃん」

「置いてあげるの?あの令月君って子」

「とりあえず様子見、ってところだね。それまでは、うちで面倒を見よう」

「うんうん、それが良いよ」

あの子も、早く自分の居場所が見つかると良いね。





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