神殺しのクロノスタシス2

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 第三部3章 (3/39)

令月のお仕事は、言ってみれば、ただの「お手伝い」みたいなものだ。

たった14歳で、特に何か特別なスキルを持っている訳でもないから、それも仕方ないのだが。

さっきみたいに、必要な書類をササッと持ってきてくれたり。

書類の管理やコピーその他、子供でも出来る簡単なお手伝い。

職員室含め、校舎内、及び学生寮の掃除。

ごみ捨て、お茶汲み、来客の取り次ぎ、その他雑用一般。

小柄な身体をして、あれで結構すばしっこいので。

本当に、小間使いのようによく働く。

もう、シルナ要らなくね?

と、思ってしまうほどに優秀である。

いるのといないのとでは、結構な差がある。

今はナジュがいないから、余計に。

勉強の方は、放課後、生徒が学生寮に帰ってから、シルナ分身かイレースが、マンツーマンで教えてあげてる。

二人曰く、「あの子、結構頭良い」とのこと。

魔導学院にこだわらず、一般教育を受けさせてもらっていれば、もっと勉学の才覚を発揮出来ていただろうに。

それだけは、口惜しいが。

何ならもう、ずっと学院にいて良いよ。

そんな令月の悪癖と言えば、学院長室の掃除のときに、シルナのおやつを勝手に摘まむことだが。

そんなものは、悪癖のうちに入らない。

子供なんだから、甘いものくらい食べたって良いだろ。

シルナは半泣きだけど。

あいつは放っておけば良い。

そういう訳で、令月少年が来てからというもの、俺達は、とても快適な生活を送っていた。






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