神殺しのクロノスタシス2
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第三部3章 (6/39)
…色々調べて、確認した結果。
結論。
令月には、魔導適性があった。
ただし、物凄く偏った魔導適性だ。
力魔法にのみ、特化した魔導適性。
その他の魔法に関しては、全然、からっきし駄目。
本人も周りの人間も、気づかなくて当然である。
令月が言っていた、炎魔法とか水魔法とかは、基本的な魔法の種類。
それが出来ないのだから、「お前には魔導適性がない」と言われるのも無理はない。
でも。
令月は、炎を出したり水を出したり出来ない代わりに。
力魔法。つまり、肉体を含めた自分や他人の持ち物全てに、凄まじいまでの殺傷能力を備わせることが出来る。
他の魔法が使えない代わりに、力魔法だけは異次元クラスなのだ。
試しに木刀を持たせて、訓練用の魔導人形に試し斬りさせてみたら。
魔導人形どころか、床までぶち抜きやがった。
それならばと、シルナが全力で力魔法を注ぎ、万全の防御力を施した魔導人形を相手させると。
一撃目で半壊、二撃目で全壊した。
で、本人が「もう片方の手にも木刀を持ったら、一撃で倒せそうなのに」とか抜かすから。
もう一本木刀を持たせて、双剣にさせてみたら。
本当に、一撃で壊しやがった。
シルナが全力で、防御力を高めた魔導人形を、だぞ。
アトラスもびっくりの破壊力。
お前のその小柄な身体の、何処にそんな力を秘めていたんだよ。
それに、しかも。
小柄であるが故に、すばしっこいの何の。
ネズミかってくらい足速いし、それなのに破壊力はアトラス並み。
気がつかずに家から追い出した令月の実家よ。
お前の息子、一周回って、むしろ天才だぞ。
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