神殺しのクロノスタシス2
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第三部3章 (13/39)
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お待ちかね(?)の、プレゼントタイム。
「はいはい皆~。プレゼントあるよ~。男の子はこっち。女の子はこっちね~」
幼稚園児か。
一年生はぽかーんと、二年生以上は苦笑いで、並んでプレゼントを受け取る。
まぁ、男女で中身が違うって言っても、ただ青色か赤色かの話だから。
大して中身は変わらない。
令月はぽかんとしたまま、プレゼントの列に並ばず、ただ眺めているだけ。
何をやってるんだか。
「おい、大丈夫か」
「あ、うん」
後ろから声をかけて、ようやく反応した。
「お前も並んでこいよ」
「え、いや僕は…」
「お前も生徒だろうがよ。遠慮なくもらってこい」
イーニシュフェルトに在籍している以上、自分も生徒の一人だってこと、忘れるなよ。
「はい、令月君。メリークリスマス」
シルナは、部屋の隅で固まっている令月に、直接プレゼントを手渡した。
「あ…えっと…。ありがとう…?」
何故疑問系?
「そして羽久の分も!」
「だから、俺の分は要らないんだって。何で教師の分まで用意するんだお前は」
「だって、皆でクリスマス祝いたいじゃない!」
はいはい。
頭の中ジングルベルで羨ましいこと。
「…」
令月は、手のひらの上のクリスマスプレゼントを。
何か不思議なものでも見つけたかのように、ずっと眺めていた。
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