神殺しのクロノスタシス2
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第三部3章 (21/39)
そんなこんなで、年末。大晦日。
「あ~…。美味しいねぇ…」
「…」
「ねぇ令月君。こうして、こたつでちょっとお高いアイスクリームを食べてるとさ」
「うん」
「生きてて良かったって思わない?」
「…特に思わないな」
がーん!みたいな顔になるシルナ。
ごめん。
俺も思わないわ。
「生きてて良かったとまでは思いませんが、今年が無事に終わって良かったとは思いますね」
と、イレース。
昨日まで頑張ってたもんな。
昨日の夕方になって、ようやくイレースのお仕事が終わったのだ。
大晦日と元旦は、ゆっくり過ごしてくれ。
「皆さん真面目ですね。寝ながら過ごそうが、働きながら過ごそうが、正月なんて、四桁の数字の最後が一つ増えるだけで、それ以外は何の変化もないのに」
ずずず、とお茶を啜るナジュ。
お前はやっぱりもう一回研修(ry。
「ってか歯に滲みるんですけど」
「熱いお茶に冷たいアイスだからな」
「何ならお煎餅もあるよ」
「珍しいですね。いつもなら、砂糖の塊みたいな菓子しか食べない癖に」
「イレースちゃん辛辣!」
などという、これまたイーニシュフェルトでは当たり前となっている会話も。
「…」
令月は、何処か他人事のように眺めていた。
話に入ってこようともしない。
歳が離れてるからか。生徒の分際で、教師の会話に割り込むのは失礼だと思ってるのか。
別に気にしないから、普通に入ってきてくれて良いんだけどな。
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