神殺しのクロノスタシス2

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 第三部3章 (22/39)

しかし。

何が嬉しくて、このメンツで年末年始過ごしてるんだろうな。

今年はナジュと令月が追加されて、更にカオス感が増してる気がする。

特にナジュ。

主にナジュ。

「年越し蕎麦って、今僕達食べてますけど」

ずぞぞ、と蕎麦を啜る一同。

「あれって、いつ食べるのが正解なんでしょうね」

「別に良いじゃないか?大晦日であれば」

「そうなんですか?年越しと言うだけに、年を越しながら食べるものかと」

いつ食っても、蕎麦は蕎麦だよ。

「あれっ。令月君」

「え、うん」

「全然食べてないじゃない。どうしたの?蕎麦嫌いだった?」

「いや…そんなことは…」

「あ、分かった。卵を潰すべきか、最後に残しておくかで迷ってるんでしょ」

「は?」

は?って。

俺も思った。

「この、蕎麦の上に乗ってる卵さぁ、潰して蕎麦に絡めて食べるか、それとも最後に残しておいて、最後に卵のみをつるんっ、とこう、食べるべきか。悩むよね」

いや、そんなの本人の好きにすれば良いじゃん。

俺は最後に残す派。

「分かる、分かるよその葛藤する気持ちは。私だって最後に残し、」

「分かってないですね学院長。何の為に温玉が乗ってると思ってるんですか。蕎麦に絡めて食べるに決まってるでしょ」

「あーっ!!」

シルナが令月に構っている隙に。

ナジュが、シルナの蕎麦の上に残っていた卵を、ぶすり、と潰した。

とろけ出るとろとろの半熟卵。

「あーっ!なんてことを!ナジュ君なんてことを!酷い!許されざる行為!」

お前、あれだろナジュ。

皆で食べる唐揚げに、勝手にレモンかけるタイプ。

友達なくすぞ。





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