神殺しのクロノスタシス2
結論から言うと。

僕には、魔導適性があった。

それも、力魔法のみに、異常に特化した魔導適性。

力魔法は使えても、他の魔法はさっぱり。

そもそも何で、僕が力魔法に特化していたのか、それすら分からなかった。

「先生達」も、頭を捻っていた。

この「先生達」も、ろくな魔導師じゃないのだから、知らなくても当然だ。

そして。

僕は突如目覚めたこの力で、対戦相手を圧倒し。

気がつけば、周りに誰もいなくなっていた。

「…あぁ、そうだったっけ」

自分が何をしていたのか、分からなくなるところだった。

「…僕、最後の一匹なんだ」

おめでとう、人殺し。

これでお前は、自分のせいで死んだ人間から、永遠に消えない呪いを受けることが出来るようになったよ。

とっても嬉しいね。生き延びたんだから。

こうして僕は、晴れて暗殺育成学校を卒業した。

当然ながら、その年の卒業生は、僕一人だけだった。

お祝いも豪華な卒業式も卒業証書もなく、ただ形だけの「卒業式」だけを経て。

僕は、立派な暗殺者の一人として世にデビューした。

そこから、僕に待っている人生は、人を殺す仕事だった。



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