神殺しのクロノスタシス2
初見で分かった。
この学院の教師が、実は四人しかいないのだということ。
僕が学院に来たときは、故あって一人は不在だったのだけれど。
残りの教師は、全部シルナ・エインリーの分身でしかない。
随分エコな経営をしているようだ。
それとも、意外に経営難なんだろうか?
知ったことじゃないが。
それよりも、僕はシルナ・エインリーが僕の予想を上回る人だということに、驚きを隠せなかった。
伝説の魔導師とまで言うのだから、きっと人を寄せ付けず、威厳に満ち、威風堂々たる貫禄のある人物かと思っていたら。
平気な顔をして学院内を歩くし、何ならスキップもするし、通りすがりの生徒にお菓子を配っている。
僕が演技してるのか、シルナ・エインリーが演技してるのか、分からないほどだった。
汚ない色しか知らない僕に、この学院はあまりにも眩し過ぎた。
こんな世界があるなんて思わなかった。
そこには、僕の知らない色がたくさんあった。
誰も知らない。身寄りもない僕を、この学院は受け入れてくれた。
生徒は生徒で、僕の両手が血に染まり、挙げ句の上に編入学でいきなり入ってきた僕にも、親切に接してくれた。
エクトルから歩いて来たんだ、と僕が言うと、大変だったなぁとか、苦労したんだなと同情してくれた。
何だか不思議な気分だった。
イーニシュフェルト魔導学院にいる間中、不思議な気分だった。
今まで味わったことのない感覚。
何だか、雲の上でも歩いてるみたいだった。
初めてのクリスマスツリー。クリスマスプレゼント。
そして、平和に過ごした年末年始。
帰省する先のない僕は、放っておかれるだけだと思っていた。
でも、学院長含め教員達は、僕を爪弾きにはしなかった。
むしろ率先して、僕を仲間に入れてくれた。
こんなことは初めてだった。
ここには色んな、綺麗なものがある。
僕はそれを知った。
汚ない世界しか見てないから、知らなかっただけで。
この世界には、僕の知らない美しいものがあるのだ。
そして、一度その色彩を見てしまったら。
この学院の教師が、実は四人しかいないのだということ。
僕が学院に来たときは、故あって一人は不在だったのだけれど。
残りの教師は、全部シルナ・エインリーの分身でしかない。
随分エコな経営をしているようだ。
それとも、意外に経営難なんだろうか?
知ったことじゃないが。
それよりも、僕はシルナ・エインリーが僕の予想を上回る人だということに、驚きを隠せなかった。
伝説の魔導師とまで言うのだから、きっと人を寄せ付けず、威厳に満ち、威風堂々たる貫禄のある人物かと思っていたら。
平気な顔をして学院内を歩くし、何ならスキップもするし、通りすがりの生徒にお菓子を配っている。
僕が演技してるのか、シルナ・エインリーが演技してるのか、分からないほどだった。
汚ない色しか知らない僕に、この学院はあまりにも眩し過ぎた。
こんな世界があるなんて思わなかった。
そこには、僕の知らない色がたくさんあった。
誰も知らない。身寄りもない僕を、この学院は受け入れてくれた。
生徒は生徒で、僕の両手が血に染まり、挙げ句の上に編入学でいきなり入ってきた僕にも、親切に接してくれた。
エクトルから歩いて来たんだ、と僕が言うと、大変だったなぁとか、苦労したんだなと同情してくれた。
何だか不思議な気分だった。
イーニシュフェルト魔導学院にいる間中、不思議な気分だった。
今まで味わったことのない感覚。
何だか、雲の上でも歩いてるみたいだった。
初めてのクリスマスツリー。クリスマスプレゼント。
そして、平和に過ごした年末年始。
帰省する先のない僕は、放っておかれるだけだと思っていた。
でも、学院長含め教員達は、僕を爪弾きにはしなかった。
むしろ率先して、僕を仲間に入れてくれた。
こんなことは初めてだった。
ここには色んな、綺麗なものがある。
僕はそれを知った。
汚ない世界しか見てないから、知らなかっただけで。
この世界には、僕の知らない美しいものがあるのだ。
そして、一度その色彩を見てしまったら。