神殺しのクロノスタシス2
翌日。

一晩、一睡もせずに考えて。

そして、結論を出した。

ここまで時間を食ってしまった以上、頭領は、シルナ・エインリー一人の首だけでは、きっと納得しないだろう。

あれだけ時間をやって、一人しか殺せなかったのかと。

仕方がない。献上する首の数を増やすしかない。

まずはあの、ラミッドフルスの鬼教官とやらを殺す。

それから、ナジュ・アンブローシアとやらいう新任教師を殺す。

最後にシルナ・エインリーと、それにくっついてる羽久を殺す。

いつもと同じ。

僕は何も考えず、いつもと同じことをすれば良い。

大丈夫だ。

僕に出来ることはこれだけ。人を殺すことだけ。

人を殺せない僕に、何の価値があろうか。

僕は殺意を静かに隠し、下校時刻が来るのを待った。

気配を消し、身を潜め。

イレース・クローリアが校舎から女子寮に入るところを、狙うことにした。

僕は使い慣れたナイフを忍ばせ、学生寮の茂みに身を隠した。

あとは簡単だ。

業務を終えたイレース・クローリアが出てくるのを待てば良い。

そして。

その時が、やって来た。






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