神殺しのクロノスタシス2
僕は、何で…泣いてるんだ?

泣いて何になる?

泣いたって何の解決にもならないし。

誰かが助けてくれる訳でもない。

全く必要のない機能だと思ってたのに。

「良いんだよ、令月君。こっちに来ても」

「…?」

「こっちにおいで。君には幸せに生きる権利がある。幸せな思い出が一つもないなら、ここで作れば良い。私達と一緒に」

…何を、言ってる。

僕が幸せになるなんて、そんな…。

「たくさん殺したから、人を傷つけたから、幸せになる権利はない?本当にそう思ってる?」

「あ、当たり前だろ。そんな、死体の上に座って笑ってるような…」

「だってさナジュ。なんか言われてるぞ」

「あ、はい。済みませんでした」

は?

「だってさシルナ。お前も死体の上に座って笑ってるんだって」

「言い訳出来ないのが辛いなぁ」

苦笑いの学院長。

「私も同罪ですね。ラミッドフルスにいた頃は、慈悲の欠片も持ち合わせていませんでしたし」

「割と今も、慈悲ないですけどね」

「何か言いましたか?」

「♪♪♪~」

…何だ、この連中は。

と、思っていると。

いきなり、両手が自由になった。

シルナ・エインリーが、僕を縛っていた縄を外したのだ。
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