神殺しのクロノスタシス2
「幻覚って…どういう…」
「まさか、学生達に異国の暗殺者集団との戦いを見せる訳にはいかないでしょう?」
そ、それはそうだが。
「だから、学生達にはあくまで、『校舎の改修工事をしているから、終日自習にする』ことにして、そのように見せてるんです。彼女がずっと」
「…!?」
そんな高度な魔法を、この規模で?
じゃあ、何だ。
僕達の今の戦いも、学生達には、「あぁ、外壁塗り直してるんだなぁ」くらいにしか見えてないのか?
一体どんな魔力と、技術と、集中力と熟練度があれば、そんな芸当が出来るのだ。
「彼女、聖魔騎士団魔導部隊大隊長の一人ですからね。それに、ああいう繊細な魔法は特に得意だそうで」
「…」
「極端な力魔法しか使えない、どっかの屋根裏暗殺者さんにも見習って欲しいですよね~」
「…」
僕、今こいつの首を跳ねても文句言われないよな?
だったら、その力魔法で強化した刀で串刺しにしてやろうか、と言う前に。
もう一つ、聞くべきことがある。
「あっちの魔導師は?」
もう一人、僕の知らない魔導師が戦っている。
背中に、黒いコウモリのような羽根を持ち。
かつ、黒い氷魔法を組み合わせて、人並み外れた動きをしている。
あれは魔導師と言うより、魔物に近いような…。
「ある意味正解です。彼、冥界でも最上位の魔物と契約している、召喚ま、」
と、言いかけたそのとき。
倒したと思っていた『アメノミコト』の暗殺者が、袖に隠した毒針を放った。
狙いは、他ならぬナジュの右腕。
「ナジュ!!」
つい会話に夢中になって、戦闘が疎かになっていた。
気配を察知して、僕が動こうとしたときには、既に遅かった。
咄嗟にナジュを突き飛ばして、何とか毒針をかわそうとしたが。
間に合わなかった。
猛毒をたっぷり染み込ませた針の先が、ナジュの右手首を掠めた。
「まさか、学生達に異国の暗殺者集団との戦いを見せる訳にはいかないでしょう?」
そ、それはそうだが。
「だから、学生達にはあくまで、『校舎の改修工事をしているから、終日自習にする』ことにして、そのように見せてるんです。彼女がずっと」
「…!?」
そんな高度な魔法を、この規模で?
じゃあ、何だ。
僕達の今の戦いも、学生達には、「あぁ、外壁塗り直してるんだなぁ」くらいにしか見えてないのか?
一体どんな魔力と、技術と、集中力と熟練度があれば、そんな芸当が出来るのだ。
「彼女、聖魔騎士団魔導部隊大隊長の一人ですからね。それに、ああいう繊細な魔法は特に得意だそうで」
「…」
「極端な力魔法しか使えない、どっかの屋根裏暗殺者さんにも見習って欲しいですよね~」
「…」
僕、今こいつの首を跳ねても文句言われないよな?
だったら、その力魔法で強化した刀で串刺しにしてやろうか、と言う前に。
もう一つ、聞くべきことがある。
「あっちの魔導師は?」
もう一人、僕の知らない魔導師が戦っている。
背中に、黒いコウモリのような羽根を持ち。
かつ、黒い氷魔法を組み合わせて、人並み外れた動きをしている。
あれは魔導師と言うより、魔物に近いような…。
「ある意味正解です。彼、冥界でも最上位の魔物と契約している、召喚ま、」
と、言いかけたそのとき。
倒したと思っていた『アメノミコト』の暗殺者が、袖に隠した毒針を放った。
狙いは、他ならぬナジュの右腕。
「ナジュ!!」
つい会話に夢中になって、戦闘が疎かになっていた。
気配を察知して、僕が動こうとしたときには、既に遅かった。
咄嗟にナジュを突き飛ばして、何とか毒針をかわそうとしたが。
間に合わなかった。
猛毒をたっぷり染み込ませた針の先が、ナジュの右手首を掠めた。