神殺しのクロノスタシス2
コウモリの召喚魔導師と、不死身の読心教師の、鉄壁の守り。

そして、学生達に幻覚を見せる女魔導師。

この三人がいれば、学生寮は大丈夫そうだ。

…。

「…読心野郎」

「はい?」

「シルナ学院長と、羽久さんは何処に?」

「…んー」

「何?その返事」

僕に教えられない何かか?

「あなたは本来、ネズミみたいに屋根裏に隠れててもらわなきゃならなかったんで、出てきてもらっちゃ困るんですよね」

それはどうも。

「今からでも良いので、隠し部屋に帰る気はありません?」

「心が読めるなら、僕が引き返すつもりなんて全くないことくらい、分かるでしょ」

「そうなんですよ。だから困ってるんですよねぇ」

などと言いながらも、戦闘は続いている。

悠長なことはしていられない。

聖魔騎士団魔導部隊の実力は、充分に見せてもらった。

正直に言おう。

僕は、聖魔騎士団の魔導師というものを舐めていた。

彼らが、これほどの実力を持つとは思っていなかった。

称賛に値すると、心から言える。

故に、僕は。

ただ、彼らに守られるだけの存在でありたくないと思った。
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