神殺しのクロノスタシス2
…何だって?

「しかも、魔導部隊の大隊長だって」

「えぇー!凄い!」

俺は、話に加わらずに聞き耳を立てた。

聖魔騎士団魔導部隊の大隊長…。

「何でそんなことに?」

「学院長先生の計らいだって」

「その大隊長も、学院長先生の教え子だった人らしいよ」

…成程。

かつての恩師の一声で、教師役を引き受けた訳か。

…へぇ。

よく「調教」されていることで。

「こんな機会、滅多にないよね!」

「でも、いきなりどうして聖魔騎士団魔導部隊から大隊長が来るんだろう?うちにも教師がいるのに」

あぁ、こいつら知らないんだっけ。

この学院の教師の秘密。

知らないってのは幸せなことだ。

僕も、何も知らないで生きていきたかったよ。

「今年だけ特別じゃない?お試しキャンペーンみたいな」

「成程、あるかも」

「イーニシュフェルト魔導学院は、魔導部隊とも親密だもんね」

その通り。

それも全て、シルナ・エインリーの仕込みだろう。

「とにかく、聖魔騎士団魔導部隊の大隊長から授業を受けられるなんて、こんな機会滅多にないよ!」

「楽しみだねー!」

あぁ、楽しみだ。

聖魔騎士団の魔導師。

一体僕に何を見せてくれるのか、楽しみだ。
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