神殺しのクロノスタシス2
しばしの間を開けて。

「…」

無言で、こくり、と頷く令月。

よし。

それで良い。お前はそれで良いんだ。

「…それ、私が言いたかったなぁ…」

で、この残念極まりないみたいな顔をしてるシルナは何だ?

ついでに。

「僕も言いたかったなぁ…。折角出来た後輩なのに…」

「お前は何処から降って湧いたんだよ」

いつの間にかやって来ているナジュ。

お前、自分の持ち場はどうした。

全員帰ったのか?それとも倒しきったのか?

「さっき友情深めたばっかりだったのになぁ…」

「おいナジュ。聞いてるのか」

俺の知らないところで、勝手に友情深めてるんじゃねぇ。

いや、良いことではあるけども。

「あらあら、泣いてるんですか?良いことです。泣くと心肺機能が上がるそうですよ」

「うん。泣くのは子供の仕事だからな!存分に泣くと良い」

で、いつの間にか現れているルシェリート一家。

「よしよし、いいこねー」

アイナが、令月の頭をよしよししてやっていた。

泣きレベル、レグルス以下だからなこいつ。令月。

「エリュティア、敵は?」

「校舎内、と言うか、全てのルーデュニア国土内から『アメノミコト』の刺客の気配は消えたよ」

「そうか。良かった」

無闇とエリュティアも来てるし。

「ちょっと聞いてくれよ!ルイーシュがさぁ!三階の窓から突き飛ばしたんだぜ!殺人だろ最早!」

「うるさいですね拾ったんだから良いじゃないですか…。あと窓ガラス代は、キュレムさんが負担するとのことです」

「そうですか。では後日、請求書をそちらに送付します」

「イレースお前ぇぇ!!貴様の辞書に慈悲の二文字はないのか!」

うるさい奴らも来てる。

校舎内大丈夫だろうか。

「残ってる敵は?全員倒したのか」

「まだ残ってるなら、私がどかーんしてあげるよ」

「いや、多分大丈夫…。頭領が帰った途端、戦ってた刺客が全員倒れて…。多分、自決したんだと思う」

「一応幻覚魔法は続けておきますよ。生徒達に、暗殺者の死体を見られる訳にはいきませんから」

ジュリス、ベリクリーデ、吐月、クュルナが言った。

全員集合しちゃってる。

「誰か怪我した人はいる?」

「あ、天音もか…」

実は負傷者が出たときの為に、学院内に待機していた天音が現れた。

完全に、これで全員集合だな。
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