神殺しのクロノスタシス2
僕が下がると、すぐにルームメイトのユイトが駆け寄ってきた。
「凄いじゃないか、アンブローシア君」
「え?」
ごめん、今お前のこと、眼中になかった。
それどころじゃなかったんだよ。
「凄いって…何が?」
僕、何か凄いことやった?
「さっきの風魔法だよ!」
あぁ、そのことか。
一年生のクラスメイトにとっては、あれでも凄いと思えるのか。
一割の力も出してないつもりだったんだがな。
それより、羽久・グラスフィアが気になって。
「あぁ…。まぁ、風魔法は、得意ですから」
僕は、照れ笑いで誤魔化した。
そういうことにしておこう。
繰り返し言うが、嘘ではないから。
「アンブローシア君が、あんなに風魔法得意なんて知らなかった。今度、放課後にでも、教えてくれる?」
この、イーニシュフェルト魔導学院の生徒の、向上心の高さよ。
仲間の才能を妬むことなく、心から尊敬し、それに倣おうとする志。
偉いね、君達。
僕のような悪党より、もっと他の人間に習った方が良いと思うけどな。
すると。
「あ、良いなぁ。私にも教えてくれる?」
「俺にも教えてよ。風魔法、苦手なんだ」
話を聞き付けた他のクラスメイトも、わらわらと寄ってきた。
その顔に、嫉妬や嫉み、妬みは全くない。
心からの尊敬と、向上心だけだ。
大したもんだよ、君達は。
ますます、僕のような者より、他の人間に習った方が良い。
しかし。
「えぇ、良いですよ」
僕は、快くそう答えた。
嫌です、他の人に習ってください…とは言えないからな。
このクラスで上手くやっていく為にも、協調は大事にするべきだ。
むしろ、クラスに溶け込む良い口実が出来たと思おう。
…さて、それより。
クラスメイトなんかより、大事なことがある。
僕は、改めて羽久・グラスフィアに視線を移した。
クラスメイトより、こちらの方が余程大切なのだ。僕には。
羽久・グラスフィアが、先程の僕の魔法で、僕の正体の…その片鱗にでも気づいてしまったら。
今後の計画に支障が出る。
僕は、羽久・グラスフィアを観察した。
じっと、彼の目を見つめた。
「凄いじゃないか、アンブローシア君」
「え?」
ごめん、今お前のこと、眼中になかった。
それどころじゃなかったんだよ。
「凄いって…何が?」
僕、何か凄いことやった?
「さっきの風魔法だよ!」
あぁ、そのことか。
一年生のクラスメイトにとっては、あれでも凄いと思えるのか。
一割の力も出してないつもりだったんだがな。
それより、羽久・グラスフィアが気になって。
「あぁ…。まぁ、風魔法は、得意ですから」
僕は、照れ笑いで誤魔化した。
そういうことにしておこう。
繰り返し言うが、嘘ではないから。
「アンブローシア君が、あんなに風魔法得意なんて知らなかった。今度、放課後にでも、教えてくれる?」
この、イーニシュフェルト魔導学院の生徒の、向上心の高さよ。
仲間の才能を妬むことなく、心から尊敬し、それに倣おうとする志。
偉いね、君達。
僕のような悪党より、もっと他の人間に習った方が良いと思うけどな。
すると。
「あ、良いなぁ。私にも教えてくれる?」
「俺にも教えてよ。風魔法、苦手なんだ」
話を聞き付けた他のクラスメイトも、わらわらと寄ってきた。
その顔に、嫉妬や嫉み、妬みは全くない。
心からの尊敬と、向上心だけだ。
大したもんだよ、君達は。
ますます、僕のような者より、他の人間に習った方が良い。
しかし。
「えぇ、良いですよ」
僕は、快くそう答えた。
嫌です、他の人に習ってください…とは言えないからな。
このクラスで上手くやっていく為にも、協調は大事にするべきだ。
むしろ、クラスに溶け込む良い口実が出来たと思おう。
…さて、それより。
クラスメイトなんかより、大事なことがある。
僕は、改めて羽久・グラスフィアに視線を移した。
クラスメイトより、こちらの方が余程大切なのだ。僕には。
羽久・グラスフィアが、先程の僕の魔法で、僕の正体の…その片鱗にでも気づいてしまったら。
今後の計画に支障が出る。
僕は、羽久・グラスフィアを観察した。
じっと、彼の目を見つめた。