神殺しのクロノスタシス2
「…」
…成程。
幸いなことに、今の魔法で、僕への疑いを抱いた…って訳ではなさそうだが。
だが、やはりやり過ぎたようだ。
僕に何か企みや悪意があるのかと、そこまで深く勘繰ってる訳じゃない。
でも。
「一年生の割には、やたらと風魔法の得意な生徒」として、僕のことが印象に残っているようだ。
もう少し、力をセーブするべきだった。
今更言っても仕方ないが。
イーニシュフェルト魔導学院は、所謂天才魔導師の卵達が集まっている。
一人二人くらい、何かの魔法に突出した生徒がいるのは、珍しいことではない。
だが僕はあくまで、平均的な、特に可も不可もない生徒だと思われていたかったのだ。
その方が、潜入には具合が良いから。
それなのに、どんな形であれ、教師に目をつけられてしまった。
しかもよりにもよって、シルナ・エインリーの右腕、羽久・グラスフィアに。
これは痛かった。
「…」
まぁ、過ぎたことは仕方がない。
それより、折角羽久・グラスフィアが目の前にいるのだ。
シルナ・エインリーほどではなくても、この男を観察するのは、大変有益だ。
もっと深く掘り下げて、見てみよう。
この絶好の機会を逃す手はない。
僕は、羽久・グラスフィアをじっと見つめた。
彼のことを知るのだ。
シルナ・エインリーの、一番近くにいるこの男のことを。
何故、あの男の味方をしているのかも含めて。
羽久・グラスフィアという人間のことを、
「…あっ」
その暗い深淵を見て、僕は思わず声を出した。
…成程。
幸いなことに、今の魔法で、僕への疑いを抱いた…って訳ではなさそうだが。
だが、やはりやり過ぎたようだ。
僕に何か企みや悪意があるのかと、そこまで深く勘繰ってる訳じゃない。
でも。
「一年生の割には、やたらと風魔法の得意な生徒」として、僕のことが印象に残っているようだ。
もう少し、力をセーブするべきだった。
今更言っても仕方ないが。
イーニシュフェルト魔導学院は、所謂天才魔導師の卵達が集まっている。
一人二人くらい、何かの魔法に突出した生徒がいるのは、珍しいことではない。
だが僕はあくまで、平均的な、特に可も不可もない生徒だと思われていたかったのだ。
その方が、潜入には具合が良いから。
それなのに、どんな形であれ、教師に目をつけられてしまった。
しかもよりにもよって、シルナ・エインリーの右腕、羽久・グラスフィアに。
これは痛かった。
「…」
まぁ、過ぎたことは仕方がない。
それより、折角羽久・グラスフィアが目の前にいるのだ。
シルナ・エインリーほどではなくても、この男を観察するのは、大変有益だ。
もっと深く掘り下げて、見てみよう。
この絶好の機会を逃す手はない。
僕は、羽久・グラスフィアをじっと見つめた。
彼のことを知るのだ。
シルナ・エインリーの、一番近くにいるこの男のことを。
何故、あの男の味方をしているのかも含めて。
羽久・グラスフィアという人間のことを、
「…あっ」
その暗い深淵を見て、僕は思わず声を出した。