神殺しのクロノスタシス2
「あっ、見て見て~ほら。羽久、今日の運勢、一番だって!」
「…」
「『恋愛運上昇!絶好の出会いのチャンスです!気になる人がいたら、積極的にアタックしましょう!』だって~!」
「…」
「一方の私は、どれどれ…。…え!?最下位!?」
ガビーン、とするシルナ。
「『今日のあなたは何一つ良いことはありません。何をやっても全く報われません。むしろ悪いことしか起きません。身辺に厳重に注意しましょう』だって」
お前、今日死ぬんじゃね?
ボロクソ書かれてんじゃん。
「そ、そんな…!私どうしたら良いの…!?」
「…うん」
まず、その占い雑誌を読むのをやめることから始めたらどうかな。
この男には、危機感というものがないのだろうか。
分かっているのか。この状況が。
お前、『禁忌の黒魔導書』を解き放った犯人の捜査を頼まれてるんだぞ。
捜査が難航しているのは分かる。
だが。
占い雑誌を読んでいる暇はあるのか。
「えぇと、ラッキーアイテムは…えっ、抹茶のクッキー!?どうしよう、私抹茶苦手なんだよなぁ。苦いし。チョコのクッキーじゃ駄目かなぁ…」
「…シルナ」
「え?何?」
「ちょっと、その雑誌貸せ」
「あ、羽久も見る?」
「可燃ごみに捨てる」
「えぇぇぇぇ!やめてぇぇぇ!」
シルナは、半泣きで雑誌を抱き締めた。
この野郎。
「これね、これね、生徒に借りたんだよ!三年生の生徒に!」
「何だと?」
生徒の私物だったのか。
じゃあ、勝手に捨てる訳にはいけないな。
これがシルナの買ったものなら、今すぐ生ゴミ入れにダンクシュートしていたところだ。
魔導師が、占い雑誌を読むな。
仮にも、イーニシュフェルトの聖賢者ともあろう者が。
そんなだから、最下位なんだよ。
「何で、そんなもの生徒に借りてんだよ…」
「え?貸してくれたんだもん」
そりゃお前が「貸して」と言えば、貸してくれるだろうよ。
学院長相手に、嫌とは言えまい。
「それがね、三年生の教室の前を通り過ぎたときにね」
と、頼んでもないし、聞きたくもないのに、シルナは話し始めた。
この雑誌を借りてきた経緯を。
「…」
「『恋愛運上昇!絶好の出会いのチャンスです!気になる人がいたら、積極的にアタックしましょう!』だって~!」
「…」
「一方の私は、どれどれ…。…え!?最下位!?」
ガビーン、とするシルナ。
「『今日のあなたは何一つ良いことはありません。何をやっても全く報われません。むしろ悪いことしか起きません。身辺に厳重に注意しましょう』だって」
お前、今日死ぬんじゃね?
ボロクソ書かれてんじゃん。
「そ、そんな…!私どうしたら良いの…!?」
「…うん」
まず、その占い雑誌を読むのをやめることから始めたらどうかな。
この男には、危機感というものがないのだろうか。
分かっているのか。この状況が。
お前、『禁忌の黒魔導書』を解き放った犯人の捜査を頼まれてるんだぞ。
捜査が難航しているのは分かる。
だが。
占い雑誌を読んでいる暇はあるのか。
「えぇと、ラッキーアイテムは…えっ、抹茶のクッキー!?どうしよう、私抹茶苦手なんだよなぁ。苦いし。チョコのクッキーじゃ駄目かなぁ…」
「…シルナ」
「え?何?」
「ちょっと、その雑誌貸せ」
「あ、羽久も見る?」
「可燃ごみに捨てる」
「えぇぇぇぇ!やめてぇぇぇ!」
シルナは、半泣きで雑誌を抱き締めた。
この野郎。
「これね、これね、生徒に借りたんだよ!三年生の生徒に!」
「何だと?」
生徒の私物だったのか。
じゃあ、勝手に捨てる訳にはいけないな。
これがシルナの買ったものなら、今すぐ生ゴミ入れにダンクシュートしていたところだ。
魔導師が、占い雑誌を読むな。
仮にも、イーニシュフェルトの聖賢者ともあろう者が。
そんなだから、最下位なんだよ。
「何で、そんなもの生徒に借りてんだよ…」
「え?貸してくれたんだもん」
そりゃお前が「貸して」と言えば、貸してくれるだろうよ。
学院長相手に、嫌とは言えまい。
「それがね、三年生の教室の前を通り過ぎたときにね」
と、頼んでもないし、聞きたくもないのに、シルナは話し始めた。
この雑誌を借りてきた経緯を。