神殺しのクロノスタシス2
…で、今に至ると。

「面白いねぇ占いって。羽久も手相見てみようよ、手相!ほら」

「…さっさと返してこい」

「えっ」

えっじゃねぇ。

何意外そうな顔してんだ。

「今すぐ返してこい!」

「えぇぇ!やだよ!だってまだ手相見てないもん!」

何が手相だ。

良い歳して。

「お前の手の皺は、全部加齢によるものだ!手相なんか見れるか!」

「そんなことないよ!失礼な!」

「大体、今は占いなんかにうつつを抜かしてる場合じゃねぇだろ!」

「だって、しょうがないじゃん!手掛かりがほとんど掴めないんだからさ!息抜きに占いくらい…」

息抜きに占いだと?

俺は、シルナの手から占い雑誌を取り上げた。

「あぁっ!酷い!」

雑誌は何も悪くない。

この雑誌の持ち主の生徒も、何も悪くない。

悪いのは全部シルナだ。

「返してくる!」

「あぁ~!私の占い~!」

「元々お前のじゃねぇだろ!」

生徒から借りパクするつもりか。

こんなものを持たせてるから、シルナが真面目に働かんのだ。

俺は、即刻、生徒に雑誌を返しに行った。

そして、頼まれても、もう二度と貸さないように言い含めておいた。
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