あの場所へ
2.部活
週末も部活のある俺は,
朝から汗にまみれて,
グランドを他の仲間と一緒に走り,
身体を温めていた。
「今日は,きっと図書館で本を読んでいるはずだ。」
俺は七海のことを思いつつ,走っていた。
「上妻。こっちに来い。」
顧問の谷口が,俺を呼んだ。
俺は列の先頭から抜けると,
先生のほうへ駆けていった。
「おまえ,九州選抜に選ばれたぞ。」
「は?」
「だから,鹿児島からお前が長距離の選抜に選ばれたんだ。冬は,宮崎で合宿だ。」
俺はしばらくしてから,
ようやく事態を理解して,
「よぉっし!!」
と小さくガッツポーズをして,
まだグランドを入っている仲間と
合流した。
走っていると,
顔をにやけてきてしまうのを,
どうにか引き締めようと
努力したが,全く無理で,
「直樹,お前,何ニヤニヤしてやがる。」
と,周りに突っ込まれて,
ようやく本当のことを話すと,
あっという間に囲まれて,
もみくちゃくしゃにされた。
「おい,お前ら。あと5週追加だ。」
遠くから,谷口の怒鳴り声が響いた。
「やべぇ。」
と団子状になったいた俺たちは,
急いで列をつくると
だいぶ日が落ちるのが早くなり,
茜色に染まるグランドを
走りはじめた。
朝から汗にまみれて,
グランドを他の仲間と一緒に走り,
身体を温めていた。
「今日は,きっと図書館で本を読んでいるはずだ。」
俺は七海のことを思いつつ,走っていた。
「上妻。こっちに来い。」
顧問の谷口が,俺を呼んだ。
俺は列の先頭から抜けると,
先生のほうへ駆けていった。
「おまえ,九州選抜に選ばれたぞ。」
「は?」
「だから,鹿児島からお前が長距離の選抜に選ばれたんだ。冬は,宮崎で合宿だ。」
俺はしばらくしてから,
ようやく事態を理解して,
「よぉっし!!」
と小さくガッツポーズをして,
まだグランドを入っている仲間と
合流した。
走っていると,
顔をにやけてきてしまうのを,
どうにか引き締めようと
努力したが,全く無理で,
「直樹,お前,何ニヤニヤしてやがる。」
と,周りに突っ込まれて,
ようやく本当のことを話すと,
あっという間に囲まれて,
もみくちゃくしゃにされた。
「おい,お前ら。あと5週追加だ。」
遠くから,谷口の怒鳴り声が響いた。
「やべぇ。」
と団子状になったいた俺たちは,
急いで列をつくると
だいぶ日が落ちるのが早くなり,
茜色に染まるグランドを
走りはじめた。