あの場所へ
Ⅷ.虚ろな心
1.流星
俺の頭上で輝いている
星たちのひとつに,
七海が,
今いるところがあればいいのにな・・・
今夜は,
オリオン座流星群がよく見えるんだぞ。
結局,七海とは一緒に
流れ星を見ることはなかったな。
俺は,
あの日から,
毎晩空を見上げている。
この星が降り注いでくるような日に,
七海が
俺の元に
帰ってきてくれるような気がして・・・
一つ,一つ,
大きさやスピードを変えながら,
星が流れはじめた。
俺は,また思い出の中に戻っていった。