あの場所へ
七見らしい手紙だった。
最後まで誰もせめず,
運命として受け入れて
醜態もみせず,
その日までを
淡々と変わらず生きた七海。
俺は,
その手紙を封筒に入れなおすと,
胸ポケットに入れた。
朝の光が七海の墓を照らし始めた。
俺は自然と涙が溢れているのに気づいた。
久しぶりの涙だった。
あの日,ICUの前で泣いた以来だった。
俺は荷物をもつと,
溢れた涙を拭いて,
七海が眠っている場所を後にした。