はじめのいーっぽ
 弟ウサギは不安な表情を浮かべます。

 それは今まで、ピョーン。ピョーンと、上に跳ねる練習をしてきましたが、前に飛ぶのは初めてだったからです。

 弟ウサギは心配そうに答えます。

「でも水溜まりを飛び越えるのは初めてだよ。転んだら痛いよ」

 お兄さんウサギは、周りを見渡し確認をしています。

「大丈夫。地面は土だし、周りには石ころもないから、転んでもケガしないよ。手を握っているから、一緒に飛んでみようよ」

 二匹は声を合わせます。

「せーのっ」

 ビチャーーーーン

 二匹は飛び越えることは出来ず、水溜りの真ん中に落ちてしまいました。
 顔を見合わせると、飛びはねた泥水で、顔や身体は真っ黒になっています。

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