はじめのいーっぽ
 弟ウサギも言いました。

「僕たち練習はしていたけど、初めて飛び跳ねてみたんだよ。失敗しちゃったけど」

 白鳥は優しく微笑むと、こんな言葉をかけてくれます。


「残念だったけど。でもそれは、とても勇気のある一歩でしたね」

 弟ウサギは首を傾げました。

「違うよ、一歩ではなく飛び越えようとしたんだよ」

 白鳥は「くっす」と笑うと、とても優しく微笑んでいました。


 身体を洗い、湖から広場に向かう途中、弟ウサギは先ほどの白鳥の言葉を思い出していました。

「お兄ちゃん。どうして白鳥さんは飛び跳ねたのに、一歩って話したんだろう」
 
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