一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
それだけでことを察してくれた優兄、やっぱりあたしの救世主は優兄だけだ!

「愛も始業式でしょ?今夜は俺がご飯作るね。」

「愛姉、またねー!今夜は優兄特製ちらし寿司だよ!!」

ふう、なんとかミッションクリア?

まあ、あたし何もしてないけど。

そろそろクラス替えの紙も張り出されてる頃。

去年は文系と理系に別れたからかなりバラバラになっちゃったけど今回はもともとその二つからだからそんなに変わらないってウワサだ。

最後のクラス、楽しいクラスになるといいな。

「愛!」

その声にあたしは心が踊るのがわかった。

いつもそうだ。

この声を聞くたびに、胸がドキドキして、目の前がピンク色になる。

あたしの名前だって、何よりも特別に聞こえてくるから不思議だ。

「浅丘君!」

今日も爽やか!

春の日差しの中でキラキラの笑顔でこちらに向かってくる、そう、彼こそが!

今年こそ照れずに言っちゃいます!
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